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2014年2月18日火曜日

フィギュアスケート観戦のすゝめ【女子シングル編】

こんにちは、あいかです。

明日は、ソチ五輪フィギュアスケートの最後の競技、女子シングルが始まりますね。
浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子の3選手、そして、金妍児、コストナー、リプニツカヤ、ゴールド、ワグナーなど海外のライバル、すべて注目です。

さて、直前になってしまいましたが、今日はこれまで紹介しきれなかった
・歴史と現状を知る(女子シングル編)
・音楽を知る(女子シングル編)
をご紹介します。


■歴史と現状を知る(女子シングル編)
正直いうと、まだまだ男子シングルみたいにまとまりきれていません。すみません。
ですが、以下の図を基に分かる範囲で書いていきたいと思います。
五輪入賞者と世界選手権(ジュニア)のメダリスト
ミシェル・クワン
この表は、上に五輪の入賞者、下にジュニアの世界選手権のメダリストを並べたものです。
〇に数字は、当時の年齢。
黄色はジュニアでメダリストになったときから考えて、次の五輪で入賞した人、
橙色はジュニアでメダリストになったときから考えて、次の次の五輪で入賞した人、
緑色はジュニアでメダリストになったときから考えて、次の次の次の五輪で入賞した人、
を表しています。
つまり、黄色の人は、比較的若いうちに五輪で輝いた人、
橙色の人は、齢を重ねたのち五輪で輝いた人、緑はさらにその上
と言うことができ、また、
黄色と橙色、緑色の色が多い人は、若いときから長い間、世界の女子シングル界を牽引した人
と言うことができると思います。

イリーナ・スルツカヤ
なぜ、このような分析をしてみたのか?
それは、女子は男子のように時代を牽引した人が順当に五輪で勝つとは言えない場合が多いからです。

ここで、時代を牽引した人を挙げてみましょう。
1996~2003 ミシェル・クワン(アメリカ)
1999~2006 イリーナ・スルツカヤ(ロシア)
2002~2006 サーシャ・コーエン(アメリカ)
2005~現在 浅田真央(日本)
2006~現在 金妍児(韓国)
こんな感じでしょうかね?

これを踏まえると、
サーシャ・コーエン
1998~2002 クワン、スルツカヤの時代
2002~2006 スルツカヤ、コーエンの時代
2006~現在 浅田真央、金妍児の時代
と大まかに言えると思います。

そして、この大きな時代の波の中で、1年や2年という小さな周期で世界の頂点を伺う選手がたくさん現れます。
例えば、
1997~1998 タラ・リピンスキー(アメリカ)
2002 サラ・ヒューズ(アメリカ)
2003 村主章枝(日本)
2004、2006 荒川静香(日本)
2006 キミー・マイズナー(アメリカ)
タラ・リピンスキー
2007、2011 安藤美姫(日本)
2010 アリッサ・シズニ―(アメリカ)
2012 カロリーナ・コストナー(イタリア)
というように。

つまり、これまでをまとめると、女子シングルの歴史とは、
才能あふれる数人の選手により、比較的長い時代が形成され、その中で1、2年という短い周期で時代を盛り上げる選手がたくさん登場する、この繰り返し
と表現できます。


そして、特徴の一つ目として、
サラ・ヒューズ
①時代を牽引する選手が五輪で金メダルを取れとは限らない
勿論、どの競技でも言えますが、女子は顕著な気がします。例外もありますが。

1998年長野五輪のクワン、2002年ソルトレイクシティ五輪のクワンとスルツカヤ、2006年トリノ五輪のスルツカヤとコーエン
が良い例でしょう。
金メダルの有力候補と言われながらも、完璧な演技をした10代半ばの新鋭にその座を奪われてしまいました。(荒川さんは?笑)

なぜ、こんなことが起きるのでしょう?
原因の一つは、女性特有の10代後半くらいからの体つきの変化にあると思います。(男の僕が言うのもあれなのですが笑)
それにより、軽々と跳べていたジャンプが思うように跳べなくなり、ジャンプよりも表現力へと多くの選手がシフト
一般的にジャンプは、ジュニアからシニアへ上がる15、16歳くらいのときを頂点に下降傾向にあると考えられます。クワンやトゥクタムィシェワがジュニアで跳んでいた3回転の連続ジャンプをシニアでは3回転2回転にしたのが印象深いです。
キミー・マイズナー

10代半ばの選手は、表現力では劣っていても、3回転の連続ジャンプなど技術力を武器に完璧な演技をすれば、技術力でベテランを上回るため、ベテランがミスでもすると、順位が大きく入れ替わる
こんなことが女子の世界ではかなりの頻度で起きているんです。(2005年の真央ちゃんのGPF制覇とか)
そして、運よく五輪年にこの現象に当てはまる若手が実力を出し切った1994、1998、2002年などの事例が、「時代を牽引する選手が五輪で金メダルを取れるとは限らない」と僕が書いた大きな理由です。
リプニツカヤやゴールドの台頭はまさにこれだから、恐ろしい!!


2つ目の特徴として、
②技術力VS表現力
という構図が女子では数多く起こり、さまざまな問題を引き起こしてきました。
アリッサ・シズニー

これは旧採点方式のときによく起こったのですが、
技術力で高い得点を出した人と演技構成点で高い得点を出した人のどちらを勝者とするか
という判断をジャッジの主観で判断していたことが原因にあります。
そして、旧採点方式では、五輪を除き、多くの場面で、
表現力の優れた方が勝者となってきたように感じます。
これは、僕の主観ですが、
女子シングルはスポーツというより芸術としての美しさを判断ポイントとし、美しさを好むジャッジが多かったのではないでしょうか?

この点は、今では新採点方式によりかなり改善されています。
技術、表現両方を満たす総合的な選手、浅田真央や金妍児のような選手が高得点を稼ぐのを見れば納得でしょう。
カロリーナ・コストナー
まあ、浅田真央と金妍児だけをみて、
技術(トリプルアクセル)VS表現力
と煽る記事もありますが、昔とは次元が違って、総合力があった上での技術VS表現力の戦いとして楽しんで観ることをおすすめします。


さて、長くなってしまいましたが、歴史に関しては以上です。

次に曲について、参考になる記事を引用しておきます。

■音楽を知る(女子シングル編)
トゥクタムィシェワ
全て引用元はこちら。http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20140207/1055020/?n_cid=nbptrn_leaf_rank
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浅田真央~「ピアノ協奏曲第二番」(ラフマニノフ) 

 どんなことがあっても愚痴をこぼさず、言い訳をしないで受け止め、黙々と日々を重ねてここまで来た浅田真央。トリプルアクセルの出来に目が行きがちだが、トリプルアクセルは、彼女の目指すものの一部だ。「バンクーバー五輪ではトリプルアクセルを合計3つ跳ぶという目標が達成できたので、ソチ五輪では(バンクーバーでできなかった)6種類の3回転を(フリーで)跳びたいです」という思いをどう遂げるのか。その一部始終を見つめたい。
 フリーは、「ピアノ協奏曲第二番」(ラフマニノフ)。トリプルアクセルを含む6つの3回転を入れたあと、最後の力を振り絞って進む力強いステップ。苦しくても諦めないで前に進んできた浅田真央のスケート人生が、そのステップシークエンスに重なって見える。彼女を見守る日本中の方々の中には、少し大げさだが「彼女と自分の歴史」、長年見てきた「真央ちゃん」へ
ユリア・リプニツカヤ
の思いがあるだろう。辛苦を乗り越えてここに来た「真央ちゃん」が、最後にリンクを縦断して進んでいくステップシークエンスでどんな表情をしているか、それを自分はどんな思いで見ているのか、自分の感情の激しい揺れに素直になってみたい。


鈴木明子~「愛の讃歌」

 鈴木明子のショート「愛の讃歌」は、長年師事してきた長久保裕コーチの好きな曲。この曲に、自身のスケート人生を重ね合わせたストーリーを見せる。今シーズンが始まる前、このプログラムを最初に披露したとき、まだプログラムの意味もそこに込めた思いも公にしていないときから、このプログラムは観た人の心の奥にあるひだに触れた。特に、3つ目のジャンプを跳び終わってからの、スケートの喜びを取り戻すパートで、身体いっぱいに伸びやかに進んでいく彼女の姿は、ただ、胸を打つ。やはり彼女の演技も、ただまっすぐに感じてほしい。

グレイシー・ゴールド

村上佳菜子~「愛のイエントル」

 そして、19歳で初出場となる村上佳菜子は、ショートの「Violin Muse」も、フリーの「愛のイエントル」も、ドラマチックで深みのある曲。オフアイスの明るくにこにこした彼女からは想像もできないほどの、切実さがある。「緊張しい(緊張するタイプ)」なので、演技前、名前がコールされる前にコーチの最後の言葉を聞いているときには、こわばった、いっぱいいっぱいの表情をしているが、ジャンプが少しずつ決まると身体の伸びやかさが増していき、プログラムが終わった瞬間、笑顔が弾ける。身体いっぱいで、全力で、がんばってがんばり抜くティーンの姿、というものにインスパイアされたい


キム・ヨナ~「アディオス・ノニーノ」 

 バンクーバー五輪優勝のキム・ヨナ(韓国)のショート「Send In The Clowns」も、フリー「アディオス・ノニーノ」も、ガツガツ勝ちに行く曲ではない。自分の好きな、音楽を感じる曲で、自分が気持ちよく現役を終えられるように、そう考えて選んだものだろう。金メダルをとってからもう一度ここで金メダルを争うまでの年月は、やはり簡単なものではない。努力を積み重ねてここまで来た、その最後の姿を、表情を、見届けたい。

ユリア・リプニツカヤ~「シンドラーのリスト」

 ロシアのユリア・リプニツカヤは、淡々として見えるが、これまでの人生すべてをスケートにかけてきた15歳だ。スケートで成功するために、うまれた街から2日車にゆられてモスクワに移り、 母と2人で頑張ってきた。今シーズン女子シングルの最高点を出したヨーロッパ選手権では足はガクガク震えていたという。小さくて、クールに見える彼女が、印象的な赤い衣装を身に着けるフリーの「シンドラーのリスト」は、そのスケートだけの日々のひとつの結晶だ。
 
 フィギュアスケートの女子選手の場合、アスリートとしてのピークが、10代後半~20歳ころと比較的早く訪れる。フィギュアスケートを芸術面から見ると、人間としての深まりが求められるのだが、それが存分に発揮されるのは、20歳以降だろう。その、身体的ピークと内面の深まりがちょうどよく合うのは、とても難しい。知らない選手でも、ぜひその年齢を意識して見たい。もちろん、トップ選手たちには、その例に当てはまらないことも多いのだけれど、20歳くらいを境に、演技の味わいが違って見えることが多い。
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参考になりましたでしょうか?

それでは、明日の女子シングル、まずはSPで良い結果がでるといいですね!(^^)/
頑張れ日本!!

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